日本中にヨガを伝えた二人のレジェンド

ヨガは日本のみならず世界的に流行している健康法の一つです。
特に女性からの人気が高く、主婦やOL、シニア世代の方々が、ヨガスタジオや自宅でヨガを実践していることは、何ら珍しいことではなくなっています。
近年では、もはやヨガを知らない人がいないのが普通ですが、1980年代頃はそうではありませんでした。
当時、ヨガの知名度は高くなく、一部の興味を持った人がカルチャーセンター等で習うマイナーな健康法という形で認識されていました。
それが一般化されたのは、二人のヨガレジェンドのおかげです。

その一人が、佐保田鶴治氏(1899~1986)です。
日本ヨーガ禅道友会の創設者であり、学者でもある方です。
元々、佐保田鶴治氏はインド学者でしたが、ヨガとは関わりのない生活をしていました。
インド学者としての人生を歩んでいた彼は虚弱体質であり、満足のいく健康な身体とはいえなかったそうです。

そんな中、60歳で大学を退職した頃に、たまたまとあるインド人からヨガの手ほどきを受けることに。
すると、みるみる身体が元気になり、虚弱体質を改善できたといいます。
自身の体質改善の経験もあり、周囲の人々にヨガとヨガの素晴らしさを伝えるようになりました。
そのほか、サンスクリットの難解なヨガの本を翻訳して出版したことも、大きな功績として称えられています。
これにより、日本人もヨガの聖典を読めるようになりました。

そして二人目のヨガのレジェンドは、佐保田鶴治氏の後継者でもある番場一雄氏(1937~2003)です。
彼は、テレビをはじめとするマスコミでヨガを発信することで、日本中に広くヨガの存在を知らしめました。
長年ヨガとインド哲学を研究し、指導してきたこともあり、その実績が認められ、インド総領事から日本ではじめての感謝状も授与されています。